41歳独身男性会社員の愛人募集体験

大手商社マンになり、学生時代の同期に自慢できる程度には充実した仕事をしている。
上司の妹と結婚し、会社の地位も安定した。
金もあり、妻もあり、人から見ればこれ以上ないくらいの幸せにあった。
しかし、残業残業の毎日と、家庭との往復に疲れていた。
日々が色褪せ始めた頃、適当に見ていたネットサーフィン中に、広告を見つけた。

『愛人契約、しませんか?』
愛人。
大富豪か、芸能人が、ベットの周りを固めているような古いイメージしか持たない私だったが、その広告サイトはもっとフランクなものだった。
割り切った女性との関係、報酬の見返りに安寧とスリル、そして肉体を提供してもらう。
ある意味、ビジネスライクな関係である。
愛人契約、悪くないかもしれない。
そうして私は、愛人を探し始めた。

今、私と契約している愛人は、夢を追うカラオケ屋の店員だ。
26歳の、声優を目指していた女性。
母親が入院し、専門学校を休学した。
母親は退院したらしく、無事学校に復帰したのだが、学校に行く費用がなかったそうだ。
愛人募集の話にのったのは、その金が欲しかったからだそうだ。

彼女は十分に大人だったし、夢を語る彼女の輝きは私の心も若くしてくれた。
「愛人募集の話、飛び込んで良かったって思っています。
こんな人に出会って、愛人として一緒に過ごせて、報酬もちゃんとくれて……。
ほんとうに、ラッキーです。」
会う頻度は、週に2回。
水曜日と土曜日だった。
水曜日は気にしなくていいのに、レディースデイだからとナイトショーで映画に行った。
土曜日は、1日喫茶店で話をしたり、ホテルで一夜を過ごしたりした。
報酬は月に20万円だ。
もちろん、デート費用は私がもっている。
初めて額を見た時は、目が飛びてる高さと思ったが、今や後悔はない。
むしろ、以前の毎日より、日々にハリが生まれた。
毎日が輝いていた。
妻には悪いが、彼女がいなければ私の成功はなかったと思う。
ビジネスライクなパートナー。
一種の仲間のような関係性は、私にとって救いでもある。
何か虚しさを抱えている人へ、ぜひ一度、騙されたと思って騙されてみるといい。